発電量が天候に左右される太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー由来の発電設備が増加するにつれ、一部時間帯において需要と供給が一致しない状態が見られるようになりました。
例えば、太陽光発電所の発電量は日射量に左右され、晴天の正午前後の時間帯は電気が余る傾向があり、一方、太陽光発電量の低下する16時以降は電気が不足する傾向があります。
このような電力の需給バランスの崩れを防ぎ、安定化に向けた対策として、蓄電池等のエネルギー貯蔵設備の活用が期待されており、2022年5月に改定された電気事業法において需給調整の役割を担う系統用蓄電池が発電事業として位置づけられました。
系統用蓄電池は電気が余る時間帯に充電し、電気が不足する時間帯に放電することによって、電気需給ギャップを解消し、安定的な電力供給に貢献しています。
系統用蓄電池とは電力系統や再生可能エネルギー発電所などに直接、接続した蓄電池のことをいいます。この系統用蓄電池は太陽光発電等で作られた電気や市場で購入した電気を蓄電したり、その逆に貯めた電気を放電し、電力系統を通じで売電することができます。
系統用蓄電池は、電力系統や再生可能エネルギー発電所に接続され、電力需給の調整や再生可能エネルギーの有効活用などを行うことで、環境への配慮に大きく寄与しています。
電力消費量の変動を吸収し、供給を安定させることで、出力制御の頻度を減らし、持続可能なエネルギーシステムの構築に貢献します。
また、太陽光や風力発電などの不安定な電力を蓄え必要なときに供給することで、再生可能エネルギーの利用を拡大し、それらの再生可能エネルギーにより蓄えた電力を使用することで、化石燃料の使用を削減し、二酸化炭素の排出削減に貢献しています。
2022年5月の電気事業法改正により蓄電池を活用した市場取引が解禁となりました。
系統用蓄電池は電力価格が安い時間帯に電気を購入して蓄電し、価格が高い時間帯に放電し売電することで、経済優位性のある売電収益を得ることができます。
系統用蓄電池は安定的な収益が見込まれますが、卸電力市場の変動が大きく影響するため、運用には専門的な知識が必要となります。
市場取引参入による収益化
(系統用蓄電池ビジネス)
系統用蓄電池の導入により電力市場で収益を獲得することができます。系統用蓄電池は、電力価格が安い時間帯には充電を行い、価格が高騰するタイミングでは売電することにより、電力の価格差を利用して収益を得ることができます
電気需要のピークカット
ピークカット とは、1日の中で電気使用量が最も多い時間帯の使用量を削減することです。ピークカット により電気使用量が最も多い時間帯の使用電力量を削減し、基本料金を削減することができます。
系統用蓄電池では、電力使用量の少ない早朝・夜間に電気を蓄電池に貯めておき、昼間にその貯めた電気を使用することで、1日の電力使用量を減らすことなく、電気料金を下げることが可能です。
.jpg)
BCP対策・非常時への備え
系統用蓄電池は災害時時の停電等の備えにもなります。近年は気候変動などによる自然災害が大規模化しており、企業におけるBCP対策が重要となっています。系統用蓄電池は、自社の施設に接続すれば、蓄えられた電力を利用することで、停電時にも電気を使用することができます。
